『孤狼の血 LEVEL2』

広島を舞台にした警察とヤクザの抗争を描く。 怖さに痛みをブレンドし、爆薬とガソリンであぶった後、 よく切れる日本刀で一口大にスライスした血の滴る肉の塊ような映画。 ゲリラ豪雨のような激しい雨がどこか美しさを感じさせる。 鈴木亮平演じる上林の狂気が画面を支配する。 R15+指定だがR15+指定で済むのか不安になるくらい直視できないシーンの連続。 その多くに鈴木亮平がからむ。 あまりの鈴木亮平の怖さに”この人は英検一級をもつ変態仮面”と心の中でつぶやいて観ていた。 映画を見ながら現実逃避したのははじめて。 松坂桃李演じる日岡もたびたび大上の形見「狼のジッポー」を見つめる。 どんなに強く見えていても、常に強くはいられない。 心の支えは必要だ。 支えになるのが、「狼のジッポー」であったり、心の中でつぶやく呪文だったりする。