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10月, 2022の投稿を表示しています

『孤狼の血 LEVEL2』

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  広島を舞台にした警察とヤクザの抗争を描く。 怖さに痛みをブレンドし、爆薬とガソリンであぶった後、 よく切れる日本刀で一口大にスライスした血の滴る肉の塊ような映画。 ゲリラ豪雨のような激しい雨がどこか美しさを感じさせる。 鈴木亮平演じる上林の狂気が画面を支配する。 R15+指定だがR15+指定で済むのか不安になるくらい直視できないシーンの連続。 その多くに鈴木亮平がからむ。 あまりの鈴木亮平の怖さに”この人は英検一級をもつ変態仮面”と心の中でつぶやいて観ていた。 映画を見ながら現実逃避したのははじめて。 松坂桃李演じる日岡もたびたび大上の形見「狼のジッポー」を見つめる。 どんなに強く見えていても、常に強くはいられない。 心の支えは必要だ。 支えになるのが、「狼のジッポー」であったり、心の中でつぶやく呪文だったりする。

『シーワールドZ』

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  水族館の動物がゾンビ化、凶暴化したらという斬新な発想の映画。 ただしCGによる迫力満点の映像が全盛の昨今において、ストップモーションアニメのような手作り感満載の映像が懐かしさを感じさせる2021年制作のアメリカ映画だ。 エデン動物園から調達した本来廃棄処分されるはずの薬を注射された大ダコが突然凶暴化飼育員を襲って逃走した。 その後水族館の生き物たちにも次々と感染。 飼育員たちを襲う。 ゾンビ化した生き物に襲われても襲われた飼育員はゾンビ化しない。 凶暴化したイルカはその凶暴性を表すようににやりと笑う。 セクシーシーンがない。 などなど、一般的なゾンビ映画とは違ったゾンビルールを持つ。 何かありそうで何もない、何か起きそうで何も起きない。 ゾンビ映画を期待するとハラハラドキドキとちょっぴりイライラが混じってしまうかもしれない映画。 ゾンビ化した動物たちが人間を襲う『ZOOMBIE ズーンビ』の続編映画。 『ZOOMBIE ズーンビ』の舞台となったエデン動物園もちらっと出てきており、『ZOOMBIE ズーンビ』を見るともっと楽しめる可能性もあるかもしれないし、ないかもしれない。 監督はグレン・R・ミラー。 グレン・ミラーと表記されることもあるが、ジャズミュージシャンのグレン・ミラーとは全くの別人。

『さよなら、僕のマンハッタン』

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    ああ、ヤリたい ニューヨークで暮らす作家志望のトーマスは、大学を卒業して親元を離れ恋人のいる女性ミミに想いを寄せている。 トーマスは隣の部屋に引っ越してきたジェラルドと名乗る中年男性と出会い、ミミとの恋愛相談を受ける。 トーマスはミミとのデート中、父が愛人と密会している所を目撃する。 トーマスは愛人ジョハンナに会い、父との関係をやめるよう説得するがジョアンナと寝てしまう。 人には誰しも秘密がある。 良い秘密、 悪い秘密、 知ったほうがいい秘密、 知らないほうがいい秘密。 今こうしている瞬間にも秘密は生まれている。 父はどうして愛人を作ったのか。 母はどうして精神に不調をきたしているのか。 些細なことにも理由があり秘密がある。 その秘密も直接語られることなく物語として伝えられる。 トーマスは自信を才能がないと思っているようだが、その秘密に気づけるのも才能なのだと感じた。 舞台はニューヨーク。 私は行ったことがないのだが、それなのに風景や描写に懐かしさを感じる不思議な体験をする映画。 原題は『The Only Living Boy in New York』。 「独りぼっちで生きている」とも、「ただ一人生き生きとしている」ともとられる題名がつけられている。 少なくとも独りぼっちではない。

『白頭山大噴火』

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  中国と北朝鮮の国境地帯に白頭山という山がある。 別名、長白山とも呼ばれ、今も地下マグマの影響で毎年3mmづつ上昇を続ける標高2744Mの火山だ。 この白頭山が噴火し、大地震がソウルを襲う。 火山が噴火し、大地震が起き、マ・ドンソクが出演する。 マ・ドンソクのでかい筋肉が躍動するパニック映画を想像するが本作はそうではない。 なんとマ・ドンソクはこの映画では誰一人殴らない。 暴力的な表現といえば火山のマグマの圧力を逃がすため、核を使うイメージを説明するためにコーヒーの入った紙コップを横からペンで刺す程度。 この映画のマ・ドンソクは韓国で白頭山を研究してきた米国の大学教授なのだ。 マ・ドンソク演じるカン・ボンネ教授は白頭山の地下には4つのマグマだまりがあり、4つ目のマグマだまりが噴火したら朝鮮半島の半分が吹っ飛ぶと説明。 その噴火を防ぐために核を使ってマグマだまりの圧力を逃がすという作戦を提案。 迫る大噴火と核の奪取。 イ・ビョンホン演じる北朝鮮工作員との駆け引き。 非核化を成し遂げようとするアメリカの妨害。 涙する女性に渡したハンカチが大量の鼻水つきで戻ってきたときのマ・ドンソクの表情。 見どころ満載のエンターテイメント作品。