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『コンフィデンスマンJP 英雄編』

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  コンフィデンスマンJPにはコンフィデンスマンJPにしかいない長澤まさみがいる。 長澤まさみは日本を代表する名優の一人である。 俳優としての実力もさることながら、出演しているというだけで無条件に今度の長澤まさみはなんなのかを確かめずにはいられない強力に人を引き付ける求心力はトップクラスだ。 作品のたびに顔が違うように見える役者の一人。 テレビドラマでも映画でもCMでも、出演しているだけでありがたみを感じてしまう。 それが長澤まさみ。 私たちのイメージのはるか向こう側にいつもいってしまう長澤まさみが、最もイメージ通りの長澤まさみをしている作品が『コンフィデンスマンJP』だ。 今回は映画第3弾『コンフィデンスマンJP 英雄編』。 お馴染みダー子、ボクちゃん、リチャードが誰も彼も観客までも騙しまくる。 長澤まさみの弾けっぷりが素晴らしい。 そうそう長澤まさみはこの顔だよと思わずうなずく。 イメージ通りの笑顔。 長澤スマイルの答え合わせ。 共演者も心の琴線に触れまくる。 阿部寛の写真が出れば、制服に身を包んだ長澤まさみを思い出し、 山田孝之がいれば、世界の中心で愛をさけんでしまう。 小日向文世と松重豊、梶原善がじゃれ合っていれば、それは私の青春の1ページ。 様々な想い、虚と実が入り乱れる極上エンターテイメント。 中心にいるのはいつだって長澤まさみだ。

『キラー・エリート』

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  戦い、傷つけ、傷つけられたジェイソン・ステイサムが今回演じるのは、死と隣り合わせの危険な日々に疲れ果て、殺し屋家業から足を洗ったダニー。 ある日ダニーのもとにかつての相棒ハンターから助けを求める手紙が届く。 オマーンの首長の依頼が果たせず捉えられていたハンターを助けに向かったダニーだが、救出に失敗。 今度はダニーがオマーンの首長から、彼の3人の息子たちの命を奪った英国特殊部隊SASの精鋭たちを事故に見せかけて暗殺するという依頼を受けることになる。 面白いのは狙われている元SASの精鋭たち。 自分たちを過去の敵対者から守るため秘密結社「フェザーメン」を結成していたのだ。 今回の敵はSASの精鋭たちの他に彼らを守るための組織も相手にしなければならないこと。 キラー・エリートとはジェイソン・ステイサムのことではなく、この映画は殺しのエリート同士の戦いであるというところが面白い。 憎み、憎まれている同志ではなく、当人たちに雇われた人間による代理戦争のようなものなのだ。 だから、どことなくビジネス的で冷めている。 感情よりも損得が優先されるシーンも見られる。 椅子に縛られたままの激しいアクションなど見どころ満載であるが、一方でそもそも恨みなどない者同士。 利害が一致すれば平気で手を組む。 殺したいほど憎けりゃ自分でヤレ。 キラー・エリートたちのメッセージが一番ニクイ。

『バトルフロント』

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  原題は『Homefront』 きっかけはアメリカの田舎町で起きた子供同士の些細ないざこざ。 女の子のマティがいじめっ子の男の子をぶっ飛ばすところからは物語は始まる。 頭にきたいじめっ子の両親は学校に訪れたマティの父親に背後から殴りかかるも、あっけなく返り討ちに合う。 マティの父親はジェイソン・ステイサムだったのだ。 自分から暴行したのに恥をかかされたと怒り心頭のいじめっ子の両親。 怒りが収まらないいじめっ子の両親は、母親の兄で麻薬密売に手を染める悪名高いゲイターに相談。 ゲイターはマティの父親・ジェイソン・ステイサムことフィルがかつて麻薬潜入捜査官だったことを突き止める。 子供同士の揉め事から始まり、結果何人もの死者を出すような騒動に発展するところがスリル満点。 しかもコトの発端である子供同士はとっくに仲直りし、ジェイソン・ステイサムが謝ることで親同士も和解をしている。 にもかかわらず、ジェイソン・ステイサムは洒落にならないような重火器を取り出し襲い掛かるヤロウ共から家族を守る。 面目、意地、欲望。 一見どうでもいいような理由を燃料にブレーキの壊れた暴走特急は走り続ける。 登場当初、ふてぶてしさと生意気な態度で好感度のかけらもなかったいじめっ子の少年はこれ以降すっかりおとなしくなってしまうのがたまらなく愛おしい。 少年がいじめっ子になってしまったのは親の影響なのは間違いない。 映画の冒頭、麻薬潜入捜査官時代のジェイソン・ステイサムが長髪姿で登場するが、ニコラス・ケイジに見えてしかたがない。 現在は二人とも剥げているのに、禿げあがり後の見た目がだいぶ違うことに人間の神秘を感じずにはいられない。 脚本はシルヴェスター・スタローン。 しかしこれは事前情報として知らないほうがいい。 田舎町の閉塞感、サスペンス感が素晴らしい映画なので、脚本にランボー感を感じてしまってはあまりにもったいない。

『ローグ アサシン』

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  舞台はサンフランシスコ。 チャイニーズ・マフィアとジャパニーズ・ヤクザの抗争が激化する街で、FBI捜査官のジョンは伝説の殺し屋『ローグ』を追い詰める。 FBI捜査官のジョンを演じるのはジェイソン・ステイサム。 相棒のトムとトムの家族をローグによって惨殺され、ローグへの捜査に執念を燃やすが、自身の家族を省みない行動に妻から嫌味を言われるタフガイ。 伝説の殺し屋ローグを演じるのはジェット・リー。 怪しい日本語を一所懸命まき散らしながら口づけするほど急接近してくるジェイソン・ステイサムを得意の流し目で受け流す。 ローグが何者なのかが最大のポイント。 「主人はいない」と仲間や依頼主のはずだった人物たちを次々始末するローグ。 冷徹な殺し屋の印象だが女性、子供には手を出さないローグ。 ローグの目的は何なのか。 ローグの謎が物語に深みもたらす。 最大の見せ場はジャパニーズ・ヤクザの親分・石橋凌演じるシロー・ヤナガワとの日本刀アクション。 ここで謎が明かされる。 「治に居て 乱を忘れず」と大きく日本語で書かれた布の前でローグに始末される石橋凌演じるシロー・ヤナガワを見つめる殺し屋ローグ。 ポイントはジェット・リーの流し目だ。