度肝抜かれた『ヤッターマン』
ヤッターマンがいる限り、この世に悪は栄えない
1977年から1979年まで放送されたタツノコプロ制作のテレビアニメの実写化。
「ポチっとな」
「アラホラサッサー」
「ブタもおだてりゃ木に上る」
等々、
アニメで使われたセリフの使用やヤッターマンの勝利のポーズ、三悪メカ爆発時に立ち昇る通称ドクロ雲など原作を見て育った自分には懐かしさがこみ上げられてきた。
それ以上に映画にもかかわらず「今週のびっくりドッキリメカー」と叫ぶシーンでは、押し寄せるノスタルジー感に涙が出そうになった。
監督の三池崇史氏が「子供のころに見た『ヤッターマン』の感じを、限りなく再現したい」の言葉通りの再現度。
子供がそのまま大人になったような登場人物たちの果てしない悪ふざけに観ているこちらも心が踊る。
登場人物たちの再現度も素晴らしい。
ボヤッキー役の生瀬勝久はどこまでもボヤッキーだし、トンズラー役のケンドーコバヤシは1Km離れたところから見てもトンズラーだ。
問題はドロンジョ役の深田恭子。
彼女は原作を超えてしまっている。
止まっていても動いていても登場しただけで目が離せない。
ヒーローもので魅力的な悪役は重要だが、深田ドロンジョの存在は彼女こそが正しいとDNAに刻まれた抵抗することのできない命令のように本能に語り掛けてくる。
ドロンジョの衣装は総製作費5000万円だそうだが、衣装脱いでも尚、目が離せない
特徴的なマスクの奥から注がれる視線に画面越しでも時が止まる。
メデューサでドロンジョで深田恭子。
ドロンジョの衣装は国立博物館に展示されなければいけない。
映画史に残る存在。
この映画は年齢制限がないが、懐かしいといって安易に父親が子供に見せるには覚悟が必要だ。
子供の人生に重大な影響を与えるのは確実だから。
もちろんいい意味で。
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