『博士と狂人』

言葉の翼を持てば世界の果てまで飛べる 世界最高峰の辞書と称賛される『オックスフォード英語大辞典』。 しかしそのプロジェクトは困難を極める。 英語辞典編纂計画を推し進めるべく採用されたのは独学で言語学博士となった天才、マレー博士。 マレー博士をもってしてもなかなか進まない編纂計画だが、マレー博士の前に協力者として現れたのは殺人を犯して精神病院に収監中のマイナー博士だった。 異端と言われながらも辞典の編纂に並々ならぬ情熱を燃やすマレー博士と、強迫観念に苦しみもがきながらも未来にささやかな希望を願うマイナー博士。 情熱と狂気。 2人の立場や行動原理は異なれど、言葉に対する圧倒的な執念を静かに淡々と紡ぐ。 言葉への畏敬に溢れたこの映画を、言葉で語れるように私はなりたい。